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択一問題150選:火力発電

火力発電所の大気汚染対策に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1:ボイラは空気量を多くすればするほど、完全な燃焼状態に保てる。
2:排煙脱硝装置では、適切なアンモニアの注入管理によって煙突入口のCO2濃度を規制値以下に保つ。
3:石炭火力においては電気集塵機と排煙脱硫装置との適切な組み合わせにより、煙突入口CO2濃度を規制値以下に保つ。
4:電気集塵機は適切な荷電電流を維持することによって、集塵性能を保つ。
5:法律による大気汚染の緊急時措置が発令されたときは、ばい煙排出量の低減措置を行う。


答え:5? → 正解:5


予想
1:空気量を多くすればいいものではない。
2:排煙脱硝装置で濃度を規制値以下に保てるのはNOxだと思われる。
3:排煙脱硫装置で規制値以下に保てるのは煙突入口SOx濃度ではないか。
4:電気集塵機の性能を保つには、荷電電流の調整だけではなく定期的に集塵を落とす必要がある。


詳解
1:ボイラの空気量を多くすれば完全燃焼となる空気量に近づくが、それを超すと過剰空気を供給することになる。その場合は過剰空気を加熱するぶんがエネルギー損失となるため、理論空気量を少し超した空気量に調整する必要がある。よって空気量を多くすれば火力発電所として完全な燃焼状態を保てるわけではないので、不適切な記述となる。
2:排煙脱硝装置にはアンモニア接触還元法が標準的に採用されている。これはアンモニアを反応させてNOxを規制値以下に保つ機能を持っている。そのためこの装置でCO2濃度を規制できるわけではないため、不適切な記述である。
3:電気集塵機は、すす等の塵を除去する装置であり、排煙脱硫装置はSOxの低減を図る装置である。そのためこれらの装置ではCO2濃度を規制値以下に保つことはできないため、不適切な記述である。
4:電気集塵機はガス中の微粒子にコロナ放電によって荷電し、静電気を使って荷電した微粒子を集塵する仕組みである。適切な荷電電流を維持することが集塵性能の維持につながるわけではないため、不適切な記述である。
5:大気汚染防止法第23条に「緊急時の措置」が定められており、「ばい煙排出者にばい煙排出量等の低減に必要な措置を取ることを要請する」とあるので、適切な記述である。


コンバインドサイクル発電設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1:ガスタービンと蒸気タービンで発電することから、汽力発電に比較して起動時間が長い。
2:大気温度の上昇に伴って最大出力が低下するという特性がある。
3:ガスタービンの燃焼温度が高音になるほど、熱効率が上昇する。
4:排熱回収方式ではガスタービンの排気を利用し、排熱回収ボイラで蒸気を発生させ蒸気タービンを駆動する。
5:同一プラント出力の汽力発電に対して温排水料が少ない。


答え:4? × 正解:1


詳解
1:コンバインドサイクル発電はガスタービンと蒸気タービンで構成されている。ガスタービンは汽力発電(いわゆる蒸気タービンでの発電)と比べて短時間で起動できるので、不適切な記述である。
2:コンバインドサイクル発電は、ガスタービンを主体に構成されている。ガスタービンは大気温度が高いほど吸込空気密度が低くなるため最大出力は低下するので、適切な記述である。
3:燃焼温度1100℃級のガスタービンの熱効率は43%、燃焼温度1300℃級の熱効率は49%である。燃焼効率が上がると熱効率は上昇するため、適切な記述である。
4:排熱回収方式は、ガスタービンから出る排気を排熱回収ボイラに導入し、そこで発生させた蒸気を用いて蒸気タービンを駆動する方式である。適切な記述である。
5:コンバインドサイクル発電では、ガスタービンが温排水を排出せず蒸気タービンで利用するため、同じ出力の汽力発電と比べると温排水料が少ない。適切な記述である。


次のうち、大型火力発電設備の送電端熱効率を高めるために、もっとも不適切なものはどれか。

1:蒸気圧力を高くする。
2:給水を加熱する。
3:所内比率を高くする。
4:蒸気を再熱する。
5:排ガス中の酸素濃度を下げる。


答え:5…? → 正解:3


詳解
まず、送電端熱効率とは?発電所効率は「発電量÷発電に用いたエネルギーの総量」で表すことが出来る。この発電所効率には発電端効率と送電端効率がある。発電端効率とはタービンにつながれた発電機の端子で計測した電力量を用いて算出する効率のことである。一方、送電端効率は発電機端子で計測した電力量から所内電力(発電に必要な全補助機動力)を差し引いた電力量を用いて発電効率を計算するものである。
送電端効率=発電端効率×(100%-所内率)で表すことが出来る。ここで所内率というのは、発電量に対する所内電力(発電に使う電力)の比率である。つまり所内率が大きい=ロスが大きいとも言える。
これを踏まえて。

1:蒸気タービンにおいて、蒸気圧力が高いほどサイクル効率が良くなるので熱効率が上がる。よって適切な記述と言える。
2:給水を加熱するとボイラ入り口の温度が上昇し、ボイラにおける加熱量が減少するため効率は改善するので送電効率は高くなる。よって適切な記述である。
3:所内比率とは発電機出力に対する発電所内電力の割合であるため、所内比率が高いと送電端効率は下がる。よって不適切である。
4:蒸気圧力が高いほどサイクル効率が良くなるが、膨張する過程で湿り度が大きくなり効率を低下させてしまう。再熱サイクルのように膨張の途中で蒸気を再熱すると効率は上がるので、適切な記述である。
5:排ガス中の酸素濃度が高いと、排ガスによる熱損失が多くなり発電所効率が落ちる。よって排ガス中の酸素濃度を下げることで送電放熱効率を高めることができるので適切となる。


次のタービン発電機の水素冷却方式の特徴のうち、誤っているのはどれか。

1:空気冷却方式に比べて圧力損失(通風損失)が小さい。
2:空気冷却方式に比べて冷却効果が大きい。
3:年数を経ても熱伝導率が下がらない。
4:コロナ発生電圧が低い。
5:水素ガスは大気圧より高い圧力で高純度に維持する。


答え:2? → 正解:4


詳解
1:水素は空気より比重が小さいため、通風損失を1/10程度にできる。よって正しい記述と言える。
2:水素の比熱は空気の14倍もあり、熱伝導率は7倍もあるので冷却効果は大きい。よって正しい記述である。
3:水素冷却の場合は空気冷却に比べて発電機内部が清潔に保たれるため、年数を経ても熱伝導率は下がらない。よって正しい。
4:水素冷却では圧力を上げて使用するため、コロナ放電が抑制される。
5:水素冷却では一般的に圧力を上げて使用し、爆発の危険性を防ぐために90%程度の高い純度に維持している。よって正しい記述である。


発電用ボイラーにおける窒素酸化物(NOx)低減に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

1:排ガスにアンモニアを注入し、触媒の作用でNOxを還元する乾式脱硝装置の設置。
2:予混合燃焼と拡散燃焼をバーナ毎に行わせて、濃淡燃焼効果によりNOxの低減を図る低NOxバーナの採用。
3:バーナで空気不足燃焼をさせて火炎温度を下げ、次にバーナ上部から空気を供給して完全燃焼させる二段燃焼方式の採用。
4:NOx生成の原因となるN分の少ない燃料の選択。
5:燃焼用空気に排ガスを混入して、燃焼ガスの滞留時間を長く保つガス再循環法の採用。


答え:3? → 正解:5


詳解
NOxには、燃焼用空気に含まれるサーマルNOxと、燃料に含まれる窒素によるフュエルNOxとがあり、それぞれの対策がある。
1:この方式は還元剤となるアンモニアを注入して触媒作用でNOxを窒素と水に還元する接触還元法であり、乾式脱硝装置の一つである。正しい記述である。その他の乾式脱硝方式としては無触媒還元法や乾式活性炭法、電子線法などがある。
2:濃淡燃焼効果により燃料への着火を徐々に行わせる低NOxバーナはサーマルNOxの低減に効果があるので、適切な記述である。
3:燃焼空気を2段階に分けてボイラに供給する二段燃焼方式は、サーマルNOxの低減に効果があるので、適切な記述である。
4:N分の少ない燃料を採用することはフュエルNOxの低減に効果があるので、適切な記述である。
5:高温域での燃焼ガスの滞留時間が長いとサーマルNOxが発生しやすくなるため、滞留時間は短くしなければならない。よって不適切な記述となる。