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新エネルギー発電(風力、地熱)

二酸化炭素排出量を削減するために、再生可能エネルギーの活用が求められている昨今である。現段階においては、一般の火力発電に比べて新エネルギー発電の発電コストは高いが、今後環境問題や資源の有限性の観点から、新エネルギー発電の活用は進んでいくと考えられている。

 

風力発電

風力発電は、地球大気の水平方向の運動エネルギーを風車を用いて電気エネルギーに変換するものである。定まった方向に一定の風が吹くことが風力発電の条件となるため、立地に制限がある。また、エネルギー密度が低い点と不規則である点が欠点となる。

風車の形式には、プロペラ形やオランダ形、ダリウス形、サボニウス形などがある。大きく分けると

水平型:プロペラ形、オランダ形

垂直型:ダリウス形、サボニウス形

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水平型は、風車が風上にあるアップウィンド形と風下にあるダウンウインド形に分けられる。アップウィンド形は風向きに応じて風車を風上に向けるヨー制御が必要となるが、ダウンウインド形の場合は風車が自動的に風下に向くため、ヨー制御が不要となる。

垂直型の場合は無指向性であるため、風向きが変わりやすい地域においても用いやすい形式である。また、垂直軸であるため発電機を地上に設置できるという利点もある。

風車では、風の流速の3乗に比例したエネルギーが得られる。そのため風速が一定を超えた場合には風のエネルギーを逃がす制御が必要となる。翼のピッチが可変の風車の場合には、ピッチ角制御を行う。さらに風速が早くなった場合は翼を風方向と平行にして、回転を停止させる。ピッチ角が固定の風車の場合には、一定以上の風速で揚力を失い回転が抑制される構造となっており、これをストール制御と呼ぶ。ストール制御に比べてピッチ制御は定格風速において発電効率がよく、定格を超えた風速においても細かな制御が可能である。反面、ピッチ角を変えるための油圧装置などが必要となるため、コストでは割高となる。

風車ロータの空気力学的なエネルギー変換効率をパワー係数と呼ぶ。理論上の最大効率として16/27=0.593=0.6であり、これをベッツの限界と呼ぶ。

風車を計画する際には、風車による騒音や振動問題だけではなく、雷害対策なども検討する必要がある。また、周辺の景観への配慮や、鳥類への影響なども考慮しなければならない。

 

 

地熱発電

地下から得られる高温の蒸気を利用して発電を行うのが、地熱発電である。地熱発電二酸化炭素を排出しない発電システムだが、立地に制限がある。また、火力発電に比べてタービンに送る蒸気の温度、圧力が低いために大容量発電ができないという欠点がある。さらに地熱蒸気の中には不純物が多く含まれている場合があるため、スケール(ボイラや管につく付着物のこと、形が魚のウロコに見えることからこう呼ばれている)が付着しないような配慮をしなければならない。

地熱発電の方式は、大きく分けて5つ存在する。

1:排圧式

地下から取り出した蒸気をタービンに直接送り、タービンを回した後の排気をそのまま外部に出す方式のことである。最も簡易的なためコストが低いが、蒸気消費量が多いため小規模な発電でしか使えない。

2:ドライスチーム方式

地下から取り出した蒸気をタービンに直接送り、タービンを回した後の排気を復水器で凝縮させる方式である。

3:シングルフラッシュ方式

地下から取り出した蒸気が熱水を伴う場合に、汽水分離器を用いて蒸気と熱水を分離した後に蒸気をタービンへ送る方式である。排気は復水器で凝縮させる。

4:ダブルフラッシュ方式

途中まではシングルフラッシュと同様だが、その後熱水の温度が高い場合は熱水をフラッシャに送り再度減圧してそこで得られた低圧の蒸気をタービンの中段に送る方式。排気は復水器で凝縮させる。シングルフラッシュ方式と比べて発電量を2割程度増やすことができる。

5:バイナリーサイクル方式

地熱流体の温度が低く少量の蒸気しか得られない場合に、水より沸点の低い熱媒体を蒸発器で加熱沸騰させてタービンを回す方式のこと。タービンで仕事をした熱媒体は、再び蒸発器に送られる。

 

 また、上記の方式とは別に、十分に地熱流体が得られない場所でも地下に高温の岩体がある場所は多く存在している。そういった場所では坑井(こうせい)を掘削して人工的に亀裂を作り、そこに地上から水を注入して蒸気と熱水を得る方法がある。これを高温岩体発電という。