読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

火力発電 環境対策編

火力発電でよく使われている化石燃料の熱エネルギーは、1トン辺り

石油:41.9GJ

石炭:29.3GJ

液化天然ガス:55.7GJ

 

ボイラとは、燃料を燃焼させて熱エネルギーを発生させる装置のこと。火炉と呼ばれる燃焼室内で燃料を燃焼させ、発生した熱エネルギーを火炉内の蒸発管、過熱器、再熱器、節炭器などを用いて取り出す。

排ガスが発生するため環境対策が重要である。火力発電で対策が必要な物質として粒子状物質、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)がある。

 

粒子状物質対策

火力発電所から発生する粒子状物質には、ばい塵やフライアッシュなどがある。そういった物質を集塵する方法としては遠心式集塵装置、電気式集塵装置、バグフィルタ、湿式装置などがあり、火力発電所では電気集塵機が使われている。

電気集塵機はコロナ放電を利用しており、負極となる針状の放電極と、設置された板状の集塵極を持つ。負極に負電圧を印加すると、コロナ放電が生じて負イオンが発生する。そのイオンが粒子状物質に付着すると、粒子状物質はイオンとともに集塵極に集められる。集塵極に集められた粒子状物質は振動で集塵極から離れて、下部に設けられたホッパに集められる。

 

 

窒素酸化物(NOx)対策

火力発電所で発生する窒素酸化物(NOx)は、主に一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)である。

窒素酸化物には、燃料中の窒素分から発生するフュエルNOxと、燃焼中の空気中の窒素から発生するサーマルNOxがある。

フュエルNOxは燃料を変えることで減らすことができる。石炭では発生する窒素酸化物全体の80%がフュエルNOxだが、天然ガスではフュエルNOxの割合は0%である。

サーマルNOxは高温下での燃焼で多く発生するため、火炎温度の低減が有効な手段となる。

ガス燃焼の場合にはサーマルNOxの割合が100%のため燃焼方法による対策が取られる。ガス燃焼ではNOx低減策の主な方法として、燃料を予め空気と混合する、希薄予混合燃焼法が採用されている。

石炭燃焼では、次のような対策が取られている。

・排ガス再循環法

火炎温度を下げてサーマルNOxを下げる方法で、窒素分が多い燃料に関しては効果が少なくなる。

・低空気比燃焼法

燃焼室内の酸素濃度を低下させることによりNOxの発生を低下する方法。ただし燃焼しなかった燃料が灰に残存したり、一酸化炭素の発生が増加すると言った欠点がある。

・二段燃焼法

バーナから供給する空気を減らし、バーナ周りの空気比だけを下げてNOxの発生を抑制する方法である。燃焼しなかった燃料は火炎の後流から注入される空気によって再燃焼される。

・低NOxバーナの採用

空気と燃料の混合比を調整し、酸化雰囲気の抑制と温度の低下を測るタイプ

バーナ付近の空気を少なくして石炭の熱分解を促進させつつ、後流で還元状態を作って生成したNOxをそこで低減するタイプ

以上の2種類がある。

また、燃焼方法による対策とは別に、排ガス中に存在する窒素酸化物(NOx)を除去する方法として、脱硝装置がある。脱硝装置には乾式法と湿式法の2種類がある。

 

硫黄酸化物(SOx)対策

硫黄酸化物(SOx)は、燃料の硫黄分によって発生する。SOxとは、SO2とSO3の総称である。

硫黄酸化物は脱硫装置によって除去される。この脱硫装置には大きく分けて乾式法と湿式法の2つがある。

乾式法は工業用水や廃水処理を必要としない方法で、活性炭吸着法や電子線照射法などがある。

現在主流となっているのは湿式法である。湿式法では水と混ぜた石灰石スラリーで排ガス中の硫黄酸化物を反応させて石膏として回収する石灰石ー石膏法が多く用いられている。また、石灰石の代わりに水酸化マグネシウムを用いて、排ガス中の硫黄酸化物が反応した硫酸マグネシウムを回収する水酸化マグネシウムスラリー法もある。