読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

択一問題150選:火力発電

技術士(電気電子) 択一問題150選 発送配変電

火力発電所の大気汚染対策に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1:ボイラは空気量を多くすればするほど、完全な燃焼状態に保てる。
2:排煙脱硝装置では、適切なアンモニアの注入管理によって煙突入口のCO2濃度を規制値以下に保つ。
3:石炭火力においては電気集塵機と排煙脱硫装置との適切な組み合わせにより、煙突入口CO2濃度を規制値以下に保つ。
4:電気集塵機は適切な荷電電流を維持することによって、集塵性能を保つ。
5:法律による大気汚染の緊急時措置が発令されたときは、ばい煙排出量の低減措置を行う。


答え:5? → 正解:5


予想
1:空気量を多くすればいいものではない。
2:排煙脱硝装置で濃度を規制値以下に保てるのはNOxだと思われる。
3:排煙脱硫装置で規制値以下に保てるのは煙突入口SOx濃度ではないか。
4:電気集塵機の性能を保つには、荷電電流の調整だけではなく定期的に集塵を落とす必要がある。


詳解
1:ボイラの空気量を多くすれば完全燃焼となる空気量に近づくが、それを超すと過剰空気を供給することになる。その場合は過剰空気を加熱するぶんがエネルギー損失となるため、理論空気量を少し超した空気量に調整する必要がある。よって空気量を多くすれば火力発電所として完全な燃焼状態を保てるわけではないので、不適切な記述となる。
2:排煙脱硝装置にはアンモニア接触還元法が標準的に採用されている。これはアンモニアを反応させてNOxを規制値以下に保つ機能を持っている。そのためこの装置でCO2濃度を規制できるわけではないため、不適切な記述である。
3:電気集塵機は、すす等の塵を除去する装置であり、排煙脱硫装置はSOxの低減を図る装置である。そのためこれらの装置ではCO2濃度を規制値以下に保つことはできないため、不適切な記述である。
4:電気集塵機はガス中の微粒子にコロナ放電によって荷電し、静電気を使って荷電した微粒子を集塵する仕組みである。適切な荷電電流を維持することが集塵性能の維持につながるわけではないため、不適切な記述である。
5:大気汚染防止法第23条に「緊急時の措置」が定められており、「ばい煙排出者にばい煙排出量等の低減に必要な措置を取ることを要請する」とあるので、適切な記述である。


コンバインドサイクル発電設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1:ガスタービンと蒸気タービンで発電することから、汽力発電に比較して起動時間が長い。
2:大気温度の上昇に伴って最大出力が低下するという特性がある。
3:ガスタービンの燃焼温度が高音になるほど、熱効率が上昇する。
4:排熱回収方式ではガスタービンの排気を利用し、排熱回収ボイラで蒸気を発生させ蒸気タービンを駆動する。
5:同一プラント出力の汽力発電に対して温排水料が少ない。


答え:4? × 正解:1


詳解
1:コンバインドサイクル発電はガスタービンと蒸気タービンで構成されている。ガスタービンは汽力発電(いわゆる蒸気タービンでの発電)と比べて短時間で起動できるので、不適切な記述である。
2:コンバインドサイクル発電は、ガスタービンを主体に構成されている。ガスタービンは大気温度が高いほど吸込空気密度が低くなるため最大出力は低下するので、適切な記述である。
3:燃焼温度1100℃級のガスタービンの熱効率は43%、燃焼温度1300℃級の熱効率は49%である。燃焼効率が上がると熱効率は上昇するため、適切な記述である。
4:排熱回収方式は、ガスタービンから出る排気を排熱回収ボイラに導入し、そこで発生させた蒸気を用いて蒸気タービンを駆動する方式である。適切な記述である。
5:コンバインドサイクル発電では、ガスタービンが温排水を排出せず蒸気タービンで利用するため、同じ出力の汽力発電と比べると温排水料が少ない。適切な記述である。


次のうち、大型火力発電設備の送電端熱効率を高めるために、もっとも不適切なものはどれか。

1:蒸気圧力を高くする。
2:給水を加熱する。
3:所内比率を高くする。
4:蒸気を再熱する。
5:排ガス中の酸素濃度を下げる。


答え:5…? → 正解:3


詳解
まず、送電端熱効率とは?発電所効率は「発電量÷発電に用いたエネルギーの総量」で表すことが出来る。この発電所効率には発電端効率と送電端効率がある。発電端効率とはタービンにつながれた発電機の端子で計測した電力量を用いて算出する効率のことである。一方、送電端効率は発電機端子で計測した電力量から所内電力(発電に必要な全補助機動力)を差し引いた電力量を用いて発電効率を計算するものである。
送電端効率=発電端効率×(100%-所内率)で表すことが出来る。ここで所内率というのは、発電量に対する所内電力(発電に使う電力)の比率である。つまり所内率が大きい=ロスが大きいとも言える。
これを踏まえて。

1:蒸気タービンにおいて、蒸気圧力が高いほどサイクル効率が良くなるので熱効率が上がる。よって適切な記述と言える。
2:給水を加熱するとボイラ入り口の温度が上昇し、ボイラにおける加熱量が減少するため効率は改善するので送電効率は高くなる。よって適切な記述である。
3:所内比率とは発電機出力に対する発電所内電力の割合であるため、所内比率が高いと送電端効率は下がる。よって不適切である。
4:蒸気圧力が高いほどサイクル効率が良くなるが、膨張する過程で湿り度が大きくなり効率を低下させてしまう。再熱サイクルのように膨張の途中で蒸気を再熱すると効率は上がるので、適切な記述である。
5:排ガス中の酸素濃度が高いと、排ガスによる熱損失が多くなり発電所効率が落ちる。よって排ガス中の酸素濃度を下げることで送電放熱効率を高めることができるので適切となる。


次のタービン発電機の水素冷却方式の特徴のうち、誤っているのはどれか。

1:空気冷却方式に比べて圧力損失(通風損失)が小さい。
2:空気冷却方式に比べて冷却効果が大きい。
3:年数を経ても熱伝導率が下がらない。
4:コロナ発生電圧が低い。
5:水素ガスは大気圧より高い圧力で高純度に維持する。


答え:2? → 正解:4


詳解
1:水素は空気より比重が小さいため、通風損失を1/10程度にできる。よって正しい記述と言える。
2:水素の比熱は空気の14倍もあり、熱伝導率は7倍もあるので冷却効果は大きい。よって正しい記述である。
3:水素冷却の場合は空気冷却に比べて発電機内部が清潔に保たれるため、年数を経ても熱伝導率は下がらない。よって正しい。
4:水素冷却では圧力を上げて使用するため、コロナ放電が抑制される。
5:水素冷却では一般的に圧力を上げて使用し、爆発の危険性を防ぐために90%程度の高い純度に維持している。よって正しい記述である。


発電用ボイラーにおける窒素酸化物(NOx)低減に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

1:排ガスにアンモニアを注入し、触媒の作用でNOxを還元する乾式脱硝装置の設置。
2:予混合燃焼と拡散燃焼をバーナ毎に行わせて、濃淡燃焼効果によりNOxの低減を図る低NOxバーナの採用。
3:バーナで空気不足燃焼をさせて火炎温度を下げ、次にバーナ上部から空気を供給して完全燃焼させる二段燃焼方式の採用。
4:NOx生成の原因となるN分の少ない燃料の選択。
5:燃焼用空気に排ガスを混入して、燃焼ガスの滞留時間を長く保つガス再循環法の採用。


答え:3? → 正解:5


詳解
NOxには、燃焼用空気に含まれるサーマルNOxと、燃料に含まれる窒素によるフュエルNOxとがあり、それぞれの対策がある。
1:この方式は還元剤となるアンモニアを注入して触媒作用でNOxを窒素と水に還元する接触還元法であり、乾式脱硝装置の一つである。正しい記述である。その他の乾式脱硝方式としては無触媒還元法や乾式活性炭法、電子線法などがある。
2:濃淡燃焼効果により燃料への着火を徐々に行わせる低NOxバーナはサーマルNOxの低減に効果があるので、適切な記述である。
3:燃焼空気を2段階に分けてボイラに供給する二段燃焼方式は、サーマルNOxの低減に効果があるので、適切な記述である。
4:N分の少ない燃料を採用することはフュエルNOxの低減に効果があるので、適切な記述である。
5:高温域での燃焼ガスの滞留時間が長いとサーマルNOxが発生しやすくなるため、滞留時間は短くしなければならない。よって不適切な記述となる。

送電(電力系統)

発送配変電 技術士(電気電子) 送電

電力系統

東日本では50Hz、西日本では60Hzで送配電が行われており、佐久間周波数変換所、新信濃周波数変換所を介して50Hzと60Hzの連携が行われている。

電気方式

大きく直流と交流にわけられる。変圧の容易さなどから一般的には交流方式が用いられる。交流方式では次のような電気方式がある。

単相2線式

単相2線式の電力損失は2I2Rであり、同じ電圧、電流、力率で電力を送電する場合に電線の使用量は最も大きくなる。

単相3線式

単相3線式の電力損失は2I2Rであり、同じ電圧、電流、力率で電力を送電する場合に電線の使用量は単相2線式の37.5%になる。

三相3線式

三相3線式の電力損失は3I2Rとなり、同じ電圧、電流、力率で電力を送電する場合に電線の使用量は単相2線式の75%になる。

三相4線式

三相4線式の電力損失は3I2Rとなり、同じ電圧、電流、力率で電力を送電する場合に電線の使用量は単相2線式の33.3%になる。

標準電圧

標準電圧として、公称電圧、最高電圧が定められている。

公称電圧 最高電圧
3.3kV 3.45kV
6.6kV 6.9kV
11kV 11.5kV
22kV 23kV
33kV 34.5kV
66kV 69kV
77kV 80.5kV
110kV 115kV
154kV 161kV
187kV 195.5kV
220kV 230kV
275kV 287.5kV
500kV 525kV or 550kV

公称電圧と最高電圧との関係には、500kVを覗いて次の関係式が成り立つ。
最高電圧=(公称電圧×1.15)/1.1

近年はさらに大電力の送電を目指して、UHV(Ultra High Voltage)送電が計画されている。
UHV送電とは交流送電で800kV以上、直流送電では±500kV以上の電圧での送電のことを言う。

新エネルギー発電(風力、地熱)

技術士(電気電子) 発送配変電 新エネルギー発電

二酸化炭素排出量を削減するために、再生可能エネルギーの活用が求められている昨今である。現段階においては、一般の火力発電に比べて新エネルギー発電の発電コストは高いが、今後環境問題や資源の有限性の観点から、新エネルギー発電の活用は進んでいくと考えられている。

 

風力発電

風力発電は、地球大気の水平方向の運動エネルギーを風車を用いて電気エネルギーに変換するものである。定まった方向に一定の風が吹くことが風力発電の条件となるため、立地に制限がある。また、エネルギー密度が低い点と不規則である点が欠点となる。

風車の形式には、プロペラ形やオランダ形、ダリウス形、サボニウス形などがある。大きく分けると

水平型:プロペラ形、オランダ形

垂直型:ダリウス形、サボニウス形

f:id:udontech:20161208215258g:plain

 

水平型は、風車が風上にあるアップウィンド形と風下にあるダウンウインド形に分けられる。アップウィンド形は風向きに応じて風車を風上に向けるヨー制御が必要となるが、ダウンウインド形の場合は風車が自動的に風下に向くため、ヨー制御が不要となる。

垂直型の場合は無指向性であるため、風向きが変わりやすい地域においても用いやすい形式である。また、垂直軸であるため発電機を地上に設置できるという利点もある。

風車では、風の流速の3乗に比例したエネルギーが得られる。そのため風速が一定を超えた場合には風のエネルギーを逃がす制御が必要となる。翼のピッチが可変の風車の場合には、ピッチ角制御を行う。さらに風速が早くなった場合は翼を風方向と平行にして、回転を停止させる。ピッチ角が固定の風車の場合には、一定以上の風速で揚力を失い回転が抑制される構造となっており、これをストール制御と呼ぶ。ストール制御に比べてピッチ制御は定格風速において発電効率がよく、定格を超えた風速においても細かな制御が可能である。反面、ピッチ角を変えるための油圧装置などが必要となるため、コストでは割高となる。

風車ロータの空気力学的なエネルギー変換効率をパワー係数と呼ぶ。理論上の最大効率として16/27=0.593=0.6であり、これをベッツの限界と呼ぶ。

風車を計画する際には、風車による騒音や振動問題だけではなく、雷害対策なども検討する必要がある。また、周辺の景観への配慮や、鳥類への影響なども考慮しなければならない。

 

 

地熱発電

地下から得られる高温の蒸気を利用して発電を行うのが、地熱発電である。地熱発電二酸化炭素を排出しない発電システムだが、立地に制限がある。また、火力発電に比べてタービンに送る蒸気の温度、圧力が低いために大容量発電ができないという欠点がある。さらに地熱蒸気の中には不純物が多く含まれている場合があるため、スケール(ボイラや管につく付着物のこと、形が魚のウロコに見えることからこう呼ばれている)が付着しないような配慮をしなければならない。

地熱発電の方式は、大きく分けて5つ存在する。

1:排圧式

地下から取り出した蒸気をタービンに直接送り、タービンを回した後の排気をそのまま外部に出す方式のことである。最も簡易的なためコストが低いが、蒸気消費量が多いため小規模な発電でしか使えない。

2:ドライスチーム方式

地下から取り出した蒸気をタービンに直接送り、タービンを回した後の排気を復水器で凝縮させる方式である。

3:シングルフラッシュ方式

地下から取り出した蒸気が熱水を伴う場合に、汽水分離器を用いて蒸気と熱水を分離した後に蒸気をタービンへ送る方式である。排気は復水器で凝縮させる。

4:ダブルフラッシュ方式

途中まではシングルフラッシュと同様だが、その後熱水の温度が高い場合は熱水をフラッシャに送り再度減圧してそこで得られた低圧の蒸気をタービンの中段に送る方式。排気は復水器で凝縮させる。シングルフラッシュ方式と比べて発電量を2割程度増やすことができる。

5:バイナリーサイクル方式

地熱流体の温度が低く少量の蒸気しか得られない場合に、水より沸点の低い熱媒体を蒸発器で加熱沸騰させてタービンを回す方式のこと。タービンで仕事をした熱媒体は、再び蒸発器に送られる。

 

 また、上記の方式とは別に、十分に地熱流体が得られない場所でも地下に高温の岩体がある場所は多く存在している。そういった場所では坑井(こうせい)を掘削して人工的に亀裂を作り、そこに地上から水を注入して蒸気と熱水を得る方法がある。これを高温岩体発電という。

沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)、原子力発電機におけるタービンについて

原子力発電 技術士(電気電子) 発送配変電

大前提として、沸騰水型原子炉(BWR)、加圧水型原子炉(PWR)、どちらも減速材と冷却材に軽水を使った軽水炉形原子炉である。

 

沸騰水型原子炉

http://www.mnf.co.jp/business/images/img_product04_02.gif

核分裂反応による熱エネルギーで軽水を沸騰させ、高温高圧の蒸気として取り出す原子炉のことである。原子炉容器内で「直接」蒸気を作り、その蒸気でタービンを回して発熱を行うため、直接サイクルと呼ばれている。

沸騰水型原子炉は、原子炉容器内に再循環ポンプ、ジェットポンプなど原子炉内の水を強制的に循環するものが備わっている。その循環量の調整によって原子炉の出力調整が可能であるという特徴がある。

沸騰水型原子炉では、原子炉炉心に接触した水の蒸気を直接タービンに導くため周辺設備が放射性物質に汚染されてしまう。その結果耐用年数終了時に放射性廃棄物が加圧水型原子炉よりも多く発生し、廃炉コストが嵩む可能性が高い。また軽水の放射能汚染のため作業員の被曝が加圧水型よりも多い。

 

加圧水型原子炉

http://www.mnf.co.jp/business/images/img_product04_01.gif

加圧水型原子炉とは、減速材と冷却材に軽水を使った軽水炉形原子炉で、一次冷却系と二次冷却系が蒸気発生器を介して完全にわけられているため、間接サイクルと呼ばれている。核分裂反応による熱エネルギーで、一次冷却水である加圧水(加圧された軽水)を300℃以上に加熱し、一次冷却水を蒸気発生器に通してそこを通る二次冷却水を加熱、沸騰させて高圧蒸気を生成、タービンを回す方式である。

加圧水型原子炉は、一次系統の放射能が二次系統に移行せず放射性物質を一次冷却系に閉じ込めておけるため、沸騰水型原子炉のようなタービン建屋の遮蔽等をせずとも良い。また、タービンや復水器が放射性物質に晒されないため保守時の安全性に優れている。欠点として、沸騰水型原子炉と違い二種類の冷却系間による熱交換ロスが発生する。

 

原子力発電における蒸気タービン 

軽水炉原子力発電においては、蒸気タービンに供給される蒸気は70気圧で285℃程度と、火力発電に比べて蒸気条件が悪い。そのため蒸気の消費量は火力タービンの2倍程度多く必要となり、タービンも大型となる。回転数も低く、50Hz機で1500rpm、60Hz機で1800rpmになっている。

原子炉の構成

技術士(電気電子) 発送配変電 原子力発電

原子力発電は、二酸化炭素の排出が少ない発電方式である。ウラン235の1gで、火力発電で消費される石油2トン分に相当する発電が行える。

 

核分裂を連鎖的に行わせるためには、それに必要な最小の量があり、それを臨界量という。臨界量以下では連鎖反応は起きないが、臨界量以上では反応が増加し最終的に爆発に至ってしまう。そういった反応を制御し、持続的な核分裂反応を行わせる装置が原子炉である。

 

原子燃料

天然ウランには、核分裂反応を起こすウラン-235が0.7%しか含まれていないため、原子炉では濃縮した濃縮ウランを使用する。ウラン-235の濃度が20%以上のものを高濃縮ウラン、20%以下のものを低濃縮ウランという。

原子炉にはウラン-235を3〜5%に濃縮した低濃縮ウランを使用する。原子燃料は燃料棒や燃料板に成形加工され、それを被覆材で密封する。被覆材とは、原子燃料と冷却材が接触しないようにするためのものである。

 

減速材

減速材とは、高速中性子を熱中性子まで減速させるものである。減速材には衝突での中性子エネルギー損失が大きくなる、質量数の小さな原子核を持つものが適している。また、中性子の散乱が大きく、吸収断面積が小さいことが重要である。そのため軽水(H2O)や重水(D2O)、黒鉛ベリリウムなどが減速材に用いられる。

 

冷却材

冷却材は原子燃料を冷却すると同時に、発生した熱エネルギーを原子炉外に取り出すために用いられる。冷却材としては、中性子の吸収が少なく、被覆材への腐食作用がない材料が望まれる。また、熱の輸送効率がよく、誘導放射能が小さいことが必要である。そのため、軽水、重水、液体ナトリウム、空気、炭酸ガス、ヘリウムなどが用いられる。

 

制御剤

制御剤は、原子炉内の中性子の密度を制御するために用いられるものである。そのため、中性子吸収断面の大きな材料が望まれる。具体的には、カドミウム、ボロン、ハフニウムなどである。発電用の原子炉においては、それらの材料の表面をステンレス鋼などで被覆して、棒状にしたものを用いている。これを制御棒という。

 

 

反射体

反射体は、炉心から漏れてくる中性子を炉心内に戻すために用いられる。

つまり散乱断面積の大きな材料である必要があるため、減速材と同じ物質が用いられる。したがって、軽水、重水、黒鉛ベリリウムなどが反射体として用いられる。

発電用原子炉には、構成体の違いによって、軽水炉形、重水炉形、黒鉛ガス炉、高速増殖炉などがあるが、原子力発電の80%以上は軽水炉形になる。

 

 

 

 

 

 

 

発電機

技術士(電気電子) 火力発電 発送配変電

火力発電機

タービン形の発電機では、大容量で高速回転となるため、円筒形同期発電機が用いられる。

発電機の回転数は、回転子が2極の場合は60Hzで3600rpm、50Hzで3000rpmとなる。4曲の場合は60Hzで1800rpm、50Hzで1500rpmとなる。2極ということはN極、S極が1対ということなので、1回転でサイン波1周期分となる。

発電機の大容量化には、冷却方式の技術が大きく貢献している。小容量機では空気冷却方式が、大容量機では水冷却方式や水素冷却方式が用いられている。

空気冷却方式は構造が簡単だが、発電機の風損が大きくなる。

水素冷却方式では、水素の密度が空気よりも大幅に小さいため、風損を1/10程度に低減できる。また水素の比熱は空気の14倍もあるため冷却効果が大きい。発電機の絶縁劣化を抑える効果もあるが、欠点として空気と混合した場合に爆発の危険がある。

水冷却方式では、冷却効果は高くなるが、絶縁性の問題からただの水ではなく純水を使用する必要がある。そのため装置が複雑化してしまう欠点がある。

 

水車発電機

水車発電機には、一般的に突極形同期発電機が用いられるが、小容量の発電機には誘導発電機が用いられる場合もある。同期機の多くは電機子を固定し、界磁が回転する回転界磁形である。同期機は、固定側に設置される電機子巻線と、回転子側の界磁巻線と制動巻線から構成されている。制動巻線は、同期発電機の負荷が急変し乱調を起こした場合などに、逆相インピーダンスを増加させて制動トルクを発生させる。制動巻線の抵抗が小さいほど制動トルクが働くため安定度は向上するが、故障電流の抑制には高抵抗のほうが効果がある。

軸方向は、立軸型が一般的だが、小容量発電の場合は横軸形になるため、それに適した発電機仕様が求められる。

水力発電は、発電所の運用形式から、始動と停止の頻度が高くなる。一般的に火力発電機よりも水力発電機は遅い。

冷却は空気で行われる。冷却方式には、発電機室内の空気を吸い込んで放出する開放型と、風洞を設ける管通風型、発電機を閉じた空間において冷却空気を循環させる全閉内冷形がある。

 

回転数の計算式

発電機の標準回転速度は、6極で50Hzなら1000rpm、60Hzなら1200pmである。

出力周波数[Hz] × 60[s] × 極数 ÷ 2 = 回転数[rpm]

なので覚えておく。

極数を2で割っているのは、N極とS極、2極のペアが1波形を生み出すからである。

 

 

 

 

火力発電 環境対策編

技術士(電気電子) 発送配変電 火力発電

火力発電でよく使われている化石燃料の熱エネルギーは、1トン辺り

石油:41.9GJ

石炭:29.3GJ

液化天然ガス:55.7GJ

 

ボイラとは、燃料を燃焼させて熱エネルギーを発生させる装置のこと。火炉と呼ばれる燃焼室内で燃料を燃焼させ、発生した熱エネルギーを火炉内の蒸発管、過熱器、再熱器、節炭器などを用いて取り出す。

排ガスが発生するため環境対策が重要である。火力発電で対策が必要な物質として粒子状物質、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)がある。

 

粒子状物質対策

火力発電所から発生する粒子状物質には、ばい塵やフライアッシュなどがある。そういった物質を集塵する方法としては遠心式集塵装置、電気式集塵装置、バグフィルタ、湿式装置などがあり、火力発電所では電気集塵機が使われている。

電気集塵機はコロナ放電を利用しており、負極となる針状の放電極と、設置された板状の集塵極を持つ。負極に負電圧を印加すると、コロナ放電が生じて負イオンが発生する。そのイオンが粒子状物質に付着すると、粒子状物質はイオンとともに集塵極に集められる。集塵極に集められた粒子状物質は振動で集塵極から離れて、下部に設けられたホッパに集められる。

 

 

窒素酸化物(NOx)対策

火力発電所で発生する窒素酸化物(NOx)は、主に一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)である。

窒素酸化物には、燃料中の窒素分から発生するフュエルNOxと、燃焼中の空気中の窒素から発生するサーマルNOxがある。

フュエルNOxは燃料を変えることで減らすことができる。石炭では発生する窒素酸化物全体の80%がフュエルNOxだが、天然ガスではフュエルNOxの割合は0%である。

サーマルNOxは高温下での燃焼で多く発生するため、火炎温度の低減が有効な手段となる。

ガス燃焼の場合にはサーマルNOxの割合が100%のため燃焼方法による対策が取られる。ガス燃焼ではNOx低減策の主な方法として、燃料を予め空気と混合する、希薄予混合燃焼法が採用されている。

石炭燃焼では、次のような対策が取られている。

・排ガス再循環法

火炎温度を下げてサーマルNOxを下げる方法で、窒素分が多い燃料に関しては効果が少なくなる。

・低空気比燃焼法

燃焼室内の酸素濃度を低下させることによりNOxの発生を低下する方法。ただし燃焼しなかった燃料が灰に残存したり、一酸化炭素の発生が増加すると言った欠点がある。

・二段燃焼法

バーナから供給する空気を減らし、バーナ周りの空気比だけを下げてNOxの発生を抑制する方法である。燃焼しなかった燃料は火炎の後流から注入される空気によって再燃焼される。

・低NOxバーナの採用

空気と燃料の混合比を調整し、酸化雰囲気の抑制と温度の低下を測るタイプ

バーナ付近の空気を少なくして石炭の熱分解を促進させつつ、後流で還元状態を作って生成したNOxをそこで低減するタイプ

以上の2種類がある。

また、燃焼方法による対策とは別に、排ガス中に存在する窒素酸化物(NOx)を除去する方法として、脱硝装置がある。脱硝装置には乾式法と湿式法の2種類がある。

 

硫黄酸化物(SOx)対策

硫黄酸化物(SOx)は、燃料の硫黄分によって発生する。SOxとは、SO2とSO3の総称である。

硫黄酸化物は脱硫装置によって除去される。この脱硫装置には大きく分けて乾式法と湿式法の2つがある。

乾式法は工業用水や廃水処理を必要としない方法で、活性炭吸着法や電子線照射法などがある。

現在主流となっているのは湿式法である。湿式法では水と混ぜた石灰石スラリーで排ガス中の硫黄酸化物を反応させて石膏として回収する石灰石ー石膏法が多く用いられている。また、石灰石の代わりに水酸化マグネシウムを用いて、排ガス中の硫黄酸化物が反応した硫酸マグネシウムを回収する水酸化マグネシウムスラリー法もある。